ひなびた大正モダン/四万温泉・積善館「元禄の湯」

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【群馬 四万温泉・積善館】

縁あってBS日テレ「中川翔子のまにあ☆マニアル」に

「ひなびた温泉男子」として出演させていただき、

番組での密着ロケで四万温泉の積善館「元録の湯」につかってきました。

あえてロケに「元録の湯」をチョイスしたわけは、

なによりも「元禄の湯」がテレビ映えするビジュアル力のある温泉だったのと、

さらに…

(1)予算の都合で関東のロケになったから(本当は九州とか東北に行きたかったなぁ…w)

(2)温泉はもちろん、温泉街も昭和レトロで、「ひなびた温泉」入門編にふさわしかったから

(3)「元禄の湯」なら、一発でひなびた温泉の虜にするチカラをもっていたから

と、まあ、なんとも番組的にマッチしていたというわけ。

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というわけで、個人的には約10年ぶりの再来となった四万温泉。

ひさしぶりの「元禄の湯」にわくわく気分。

JR東日本吾妻線の「中之条駅」からバスにゆられて約40分、

四万温泉で下車すると、10年前とまったく変わっていない温泉街があった。

で、まず向かったのが、温泉ではなく、「柳屋遊技場」だった。

「柳屋遊技場」とはなにか?

四万温泉名物の、昭和レトロなスマートボール場さんだ。

かつては四万温泉にも数軒あったというスマートボール場も、

いまではこの「柳屋遊技場」1軒のみ。

でも、ここが四万温泉名物なわけは、そんな希少性だけではない。

ここでもう60年もの間、この店を切り盛りしている柳屋のおばちゃんこと京田二三子さん。

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このおばちゃんの存在、それこそが名物なのだ。

まー、おしゃべり好きな楽しいおばちゃんなのである。

楽しみはお客さんとのおしゃべり。楽しみというよりは生きがいなのだという。

四万温泉にいったら、ぜひこの柳屋で遊んでいくことをおすすめする。

おばちゃんとの楽しい時間が、

必ずや思い出のひとコマになることうけあいなのだから。

ちなみに自分はおばちゃんに「穴入れ名人!」と命名されました(笑)

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さて、スマートボールで遊んだ後はいよいよ積善館「元録の湯」に向かおう。

積善館へは、これまた四万温泉の名物といえる橋を渡っていく。

道後温泉の道後温泉本館をはじめとして、台湾の九份とか、渋温泉の金具屋とか、

ジブリの「千と千尋の神隠し」のモデルになったといわれている建造物は

巷にいろいろあるけれど、積善館ものそのなかのひとつで、

アニメに出てきた油屋の入り口にかかる赤い欄干の橋が

積善館の橋がモデルになったといわれている。

そう、あのカオナシと千尋が出会ったあの赤い欄干の橋。

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積善館「元録の湯」の日帰り入浴はフロントの自動販売機でチケットを買う。

入浴料は1,000円。ひな研的にはかなり高いけど、

まあ、あの希少価値の高い湯船ですから、こうなっちゃうのかな。

と、ちょっと複雑な気持ちは、いなめないなあ。

しかし、さすがは重要文化財の宿だけあって、

ところどころがレトロで味わい深い。

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「元禄の湯」の入り口には飲泉所がある。

これは、飲んでみないとね。

そもそもここ「四万温泉」はなぜ「四万温泉」というのかというと、

それは四万もの病を治してくれるお湯であるといわれてきたからなんですね。

宮城県の峩々温泉、九州の湯平温泉、そしてこの四万温泉と、

「日本三大胃腸病の名湯」としても数えられているほどなのだ。

というわけで、実にありがたい飲泉所なわけなので、

さっそく一杯いただくことにしよう。

うん、うん、うすい塩気があって、

いかにも胃腸によさそうなありがたいお味がしますねぇ。

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さて、それでは「元禄の湯」にまいりましょう。

飲泉所の横の木の扉をギィーっとあけると…

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思わず、おおぉ~っと声をあげずにいられない素晴らしい空間が現れる。

この「元禄の湯」が建てられたのは昭和5年のこと。

たぶん、当時はめっちゃおしゃれだったのでしょうね。

大正浪漫なホール風な空間に5つの石造りの湯船が並んでいて、

なんともレトロで、ほかのどこにもない独特な味わいをかもしだしている。

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脱衣所は浴室と一体化した昔のスタイル。

床のタイルに青竹が埋め込まれている。いいねえ。

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「元禄の湯」には5つの湯船がある。

3~4人入れる長方形の湯船がひとつと、1~2人用の正方形の湯船が4つ。

まずは手前のいちばん大きな湯船から入っていこう。

うん、ちょうどいい熱さだね。

ここの湯船の特長は、なんといっても源泉が湯船の底から

わき出すように注がれているところである。

だから源泉をフレッシュなまま身体に直に受けているような、

実に贅沢なつかり心地が味わえるのだ。

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いやあ、湯船につかって見上げるように眺める、この大正浪漫な空間はいいねえ。

実に贅沢な気分。天井の高さがすごく効いているなぁ。

ひとつひとつの湯船にはお湯をうめるための蛇口がついていて、

そこに温泉の析出物が堆積している。

これも味わい深い。白とエメラルド色の温泉の宝石といいたいね。

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ここ「元禄の湯」にはおもしろいものがある。

それはなにかというと、超レトロなサウナだ。

いや、サウナといっていいのかな?ま、サウナというよりは蒸し湯かな。

壁にちいさな扉があるんですね。

それを開けてくぐるように中に入ると、タイル張りの椅子のようなものがあって

そこに座って扉を閉める。すると蒸し蒸ししてきて汗が出てくるわけですね。

サウナほど熱くはない。そして扉を閉めると暗い。

暗い中、ひたすら汗をたらしてジッとしている。ちょっと滑稽な気分。

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湯船につかりながら、この「元禄の湯」の魅力がもうひとつわかった。

5つの湯船があるここでは、湯船につかりながら他の湯船を眺められるわけで、

思えばそういうのってあまりない。つまりなかなか貴重な眺めといえるわけだ。

新鮮な源泉が溢れ出ている、見ているだけでも気持ちがいいレトロな湯船を

眺めながら(しかも4つも!)湯につかるというのも実に贅沢なことではないか。

やっぱりいいなぁ、ここの湯は。

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湯につかった後は、四万温泉の全景をテレビカメラで撮りたいということで、

ロケ車で四万温泉街を見下ろせる近くの山腹沿いの道へ移動した。

底から見下ろすと、四万温泉がそれほど大きくはない

こじんまりとした温泉街であることがわかる。

ここにあのスマートボール場のおばちゃんとか、ラーメン屋のおじさんとか、

四万温泉の個性豊かな面々が、毎日働いているんだなあ、なんて思うと、

やけにこの温泉街が愛おしく思えてくる。

また来るからね。つぎはゆっくり泊まっていこう。

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■積善館「元禄の湯」
群馬県吾妻郡中之条町大字四万4236
入浴料:1,000円
営業時間:10:00~17:00
http://www.sekizenkan.co.jp/

記事:ショチョー

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2016-03-29 | Posted in 関東/中部No Comments » 

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