食ってからつかるか?つかってから食うか?/巣郷温泉・でめ金食堂

【岩手 巣郷温泉/でめ金食堂】

読んでから見るか?見てから読むか?

はい、ありましたねぇ。角川映画のキャッチコピー。

あ、いや、それというのも、

食ってからつかるか?つかってから食うか?的な

温泉がですね、岩手県と秋田県の県境あたりにあるんです。

巣郷温泉の、でめ金食堂といいます。

え?それ、食堂じゃん?

ハイ、食堂です。

でも、温泉でもあるんだなぁ、これが。

秋田県横手市にあるJR北上線の黒沢駅はプレハブ小屋のような

素朴な無人駅だ。

ここから国道107号に出て、てくてく歩いて県境を越して岩手県に

入ったあたりに巣郷温泉がある。

国道をしばらく歩くと、

お!「でめ金食堂 この先1km」と書かれた看板がありますねぇ。

まぁ、なんていうか、名前がいいよね。

きっと、出目金が好きな店主なんだろうなぁ。

さらに歩くと県境に出て、これを越えると岩手県だ。

で、でめ金食堂の看板が見えてきた。

「安くてうまいラーメン」と書かれた看板もある。

よし、じゃあ、ラーメンを頼むことにしよう。

で、到着したでめ金食堂はというと、

商売っ気はあまりなさそうな、

こぢんまりとしたドライブイン。

中は昭和な感じの食堂。

メニューがけっこう豊富だ。

馬刺しや馬肉味噌煮なんていうのもあって、

なかなかそそるメニューだったりする。

なにやら、おもちゃの人形類がガラスケースにぎっしりとある。

ご主人の自慢のコレクションか?

と、メニューやら店内のいろんなもんに目移りしていたら、

食堂のおばちゃんがやってきて、

「もしかして温泉入りにきたの?」て聞いてきた。

え?なんでわかったんだろう?

それとも、ここに来るとまずそう聞かれるとか?

で、ハイ、温泉入りににきました、と答えると、

おばちゃんいわく、

「いやね、あっちのお客さんも温泉入りにきていて、たくさん注文していて、

それを食べてから入るから、先に入ったほうがいいわよ。」

30〜40分ぐらいは大丈夫だからとのこと。

なるほど、そういうことかということで、

先に温泉につかることにした。

おばちゃんに案内してもらって、レジ横の暖簾をくくると

小さなソファが置いてある脱衣所があった。

その横に浴室の扉らしきものがあったので、開けてみると…

おお〜!なんとも個性的な湯船が目に飛び込んできた。

そして、鼻孔をいい感じに刺激する油臭。

むむむ、これはよさげだぞ。はやくつかりたーい!

というわけでさっそく湯船にざぶん。

うう、ちょっと熱め。

おお、いい感じのとろとろ感もあるね。

そしてこのありがたき油臭。

でめ金の目がモチーフなのかな?

このレトロな感じのタイルも、なんとも目を楽しませてくれる。

う〜ん、どうせ、ただで入れる湯なんて、それなりの湯でしょ?と

思うかもしれないけれど、ところが、ところが、さにあらず。

とってもいい湯ですよ。でめ金食堂の湯は。

こんないい湯が食堂のレジの横ののれんの向こうにあるなんて、

いったいどれくらいの人が知っているんだろう?

食堂の看板に温泉マークがちょこっとついているものの、

それ以外はとくにアピールしていない。

食堂内にも「温泉あります」的な貼り紙とかもないようだし。

まさに、ここは食堂の中の隠し湯ですねぇ。

浴室の壁には素朴で可愛らしいでめ金が描かれた
タイル絵が嵌められてあった。
う〜ん、でめ金愛を感じるねぇ。
いやぁ、いいなぁ、ここは。とても気に入った。

風呂上がりに冷えた瓶ビールとラーメンをいただいた。

ラーメンはまさに昭和のドライブインのラーメンだ。

見た目そのままの懐かしくやさしい味のラーメン。うまいや、これは。

ますます、このでめ金食堂が気に入った。

 

お風呂もラーメンも大満足。

レジでお金を払ったときにおばちゃんに聞いてみた。

でめ金食堂の名前の由来ってなんですか?

たぶん、先代の主人がでめ金が好きでねぇ、みたいなことかな?

とボクが勝手に思っていたところ、

おばちゃんがいうには、

「でめ金って「出る金」って書くでしょう?だからお金がたくさん出てくる、

ようは儲かるって、そんな意味からでめ金食堂って名前にしたって聞いているわねぇ」

「え?でめ金が好きだったとか、そういうことじゃないんですか?」とボク。

「そうねぇ、とくに好きだったってわけじゃなかったみたいよ。アッハッハ」とおばちゃん。

 

な、なるほど、そうでしたか……

いやぁ、でめ金食堂、いいわぁ、ここは。

いわゆる、あまり人に教えたくない温泉って感じ。

聞くところによると、

ここ、巣郷温泉の中で、このでめ金食堂の湯が

いちばん油臭があってとろみも濃厚なのだそうだ。

旅館や日帰り温泉施設を差し置いて、

食堂の湯がいちばんだというのも、

ボクなんかは、イカしているなぁ〜って思うんだけれども

いかがだろうか?

いやはや、いやはや、でめ金食堂。愛すべき湯でした。

場所 岩手県和賀郡西和賀町巣郷63地割159-14
料金 食事をした人へのサービス
時間・定休 電話で確認
電話 0197-82-2830

記事:ショチョー
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2017-12-21 | Posted in 北海道/東北No Comments » 

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