路地の向こうの「ゆ」に萌え萌えのキムタク温泉銭湯/鷺沼温泉
【千葉県 鷺沼温泉】
鷺沼温泉が、いかにリアルレトロな温泉銭湯なのかっていうことを、これ以上もないほどに伝えるエピソードをひとつ。
キムタク主演のドラマの「南極物語」ってありましたよね。あのドラマの時代設定は昭和30年頃で、当然、街並みのシーンとかにはCGが多用されていたわけだけど、でも、キムタクが銭湯の風呂に浸かるシーンだけはCGはまったく必要なかった。なんてったってロケ地に選ばれたのは他でもない、この鷺沼温泉だったのだから。昭和から時が止まっている鷺沼温泉はCG処理せずにそのままでOKなんだからね。
と、そんな温泉銭湯なのである。
で、そんな鷺沼温泉の萌えポイントっていえば、「ゆ」なんだよねぇ。まず、それにたまらなくグッとくる。もう理屈抜きにグッとくるのだ。ほら、見てくださいよ、こんな感じ……
津田沼駅から歩いて約20分。昔ながらの銭湯ならではの高い煙突が見えてくるので、それを目印に近づいていく。国道14号線沿いをいくと、営業中の赤い幟や素朴な看板があるから、その路地を入っていこう。すると!
「ゆ」が見えた! 萌える! しばらく立ち止まって眺めていたいほどだ。
入り口は右側にあって、赤い暖簾と紺色の暖簾。ここにも「ゆ」が染め抜かれている。思いがけずの「ゆ」の二段階攻撃である。萌える×2。
そして男湯へ。「男湯」「入り口」の、なんともおおらかな字がステキじゃないですか!
脱衣所に入るとそこらじゅうに常連さんの“マイ風呂桶セット”があって、ここが地元の人に愛されている温泉銭湯だということがよくわかる。
ロッカーなんていうものはない。竹で編んだ籠に衣服を入れる。竹籠が現役なのだ。
中へ入ると、なるほど! ドラマ「南極物語」でCGがまったく必要なかったというのがよくわかる。時が止まっている。リアルレトロな銭湯は数あれど、ここは確かに、ハンパなくリアルレトロだ。ウッヒョー!
古めかしいタイルの湯船の向こうには定番の富士山のペンキ絵。そしてその下には鯉のタイル絵。この鯉がいい味出していて、これまたグッとくる!
さてさて、じゃあ、湯に浸かろうか。ここはひとつ覚悟して浸からなきゃね。
いや、なんで覚悟しなきゃいけないかっていうと、ここ鷺沼温泉の湯は激熱で有名なのである。湯船は2つに分かれていて、湯温が違う。普通ならば「ぬる湯」「熱湯」ってところだろうけれど、ここの場合は「熱湯」「激熱湯」っていってほうがいい。だから湯に浸かるには覚悟が必要なのである。
ただ、この日は誰かがうめたのだろうか? 激熱湯は49度っていわれているけれど、そこまでの熱さではなかった。でも、熱い。じゅうぶん熱いよ。あっという間に身体が暖まる。モール泉らしい、かすかな甘味を感じられる香りがするすべすべの浴感の湯。いや、いい湯だなぁ。
おもしろかったのは浴室の端っこに使い古した湯もみ用の板が置いてあるところ。草津温泉か? ここは。
湯に浸かりながらタイル絵の鯉や富士山のペンキ絵を眺めていると、なんだかタイムスリップしたかのような気分になってくる。ホーローの板に「大衆ノ爲風呂ニ腰ヲカケナイ様願ヒマス」って書かれてあるところがいいなぁ。
湯の効能書きがあったので、見てみると赤文字で「温質オゾンを多量に含む人体の血行をよくする。」と書かれてあった。なんだろう? 温質オゾンって? あとでちょっとググってみよう。
あ〜、いい湯だった! 汗がなかなかひかない。雪が降るような寒い日なんかは、ここの湯、たまらないだろうな。
あ、そうだ、そうだ、さっきの「温質オゾン」ってなんだったんだろう。スマホのグーグルアプリでググってみた。が、「温質オゾン」という言葉すらでてこない(笑)オゾンといえば、確か森の空気とかに含まれる浄化作用がある気体のことだったよね。ま、体にいいお湯だよってことだよね。うんうん、納得。確かに、いいお湯だった。
「鷺沼温泉」
場所 千葉県習志野市鷺沼1丁目14−15
料金 430円
時間 15:30〜22:30(不定休)
電話 047-452-2523
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