ニクいぜ、黄色いぜ、演歌だぜ。/赤松温泉

【大分県 赤松温泉】
最初にいってしまおう。
大音量の演歌が流れる黄色いテントの中にある。そんな温泉だ。
大分県は日豊本線の杵築駅から3kmほど歩いたところに、
まず真っ黄色の食堂が現れる。「赤松屋」という食堂。

その真っ黄色の食堂の前には、なぜだか真っ黄色のキリンの像。
なぜここまで黄色いのか?なぜキリンなのか?

ここにきてすでにもう黄色にやられてしまった感があるが、
「赤松温泉→」と書かれた矢印の方向を見ると、
上部が黄色いテント張りになった建物がある。おお、こっちも真っ黄色だ!

きっとここのオーナーは黄色が好きに違いない。
……というレベルではなく、黄色に取り憑かれているのかもしれない。

そんなことを思いながら建物に近づいていくと、
激しく犬に吠えられた。お〜、びっくりした〜。
見ると大きな犬小屋があって
小屋の外から、小屋の中から、そして小屋の下から
3匹の柴犬が激しく吠えている。
犬小屋は黄色ではなかった。

さらに建物に近づいていくと
絶妙のタイミングでおっちゃんが出てきた。
ん?もしや犬の吠え声で出てくる仕組みなのかな?

おっちゃんに入浴料を払って
ついでに写真撮らせてくださいというと、
さっきまでガハガハと笑っていたおっちゃんが、
スッと両腕を伸ばして直立不動のポーズをとった。
なんだか可愛い。

中へ入ると
そこは浴室と脱衣所が一体になった大きな空間があった。
黄色いテント張りの屋根のため、空間全体が黄色がかって見える。
おお、中も黄色いなぁ。
そして、けっこうな大音量で演歌が流れていた。

なんともミョーだったのが脱衣所に向かう通路沿いに
金魚やメダカが泳ぐコンテナがいくつもあること。
なんだろう、これは?飼っているレベルではないし、
中には高価そうなランチュウみたいな金魚もいる。
しかも、ここ、一応浴室の中なのであるしね。

いろいろと興味深い赤松温泉であるが、
なにはともあれ湯に浸かろう。
先客さんがものすご〜く気持ちよさそうに浸かっていて
こちらの気もはやってくる。

岩風呂風の湯船は5つに仕切られている。
空いている奥の湯船に入ろうとしたら、
先客のおじさんが「そこは一番熱いよ」と教えてくれた。
なんでも5つの湯船の湯温がそれぞれ違うとのことで、
熱い湯からぬるい湯、水風呂まで揃っているとのこと。
ということで、熱い湯から浸かってみた。

おお、ヌルスベ感のあるいい湯。
色は無色透明。かすかなたまご臭。熱い湯もいいけれど、
これはぬるい湯のほうがよりこの湯が味わえていいかもしれない。

しっかし!
やはりこの独特な空間がなんともいえずよい!
高い天井。黄色がかった空間。そしてこの大音量の演歌。
気持ちがとてもゆる〜くなる。
いいなぁ〜ここは。

岩風呂の縁には植物が置かれて
ジャングル風呂とまではいかないけれど、
なんか落ち着く。ホラ、小鳥のさえずる声だって……

ん?なぜ小鳥がいる?
よく見ると7個ぐらい鳥かごが積んであって
そこに小鳥がいるではないか。
ここ、一応浴室の中なのに(笑)

いやぁ〜、なにもかもがゆるいです。
先客のおじさんがとっても気持ちよさそうに湯に湯に
浸かっていたのが納得。自然と脱力してくるんです、ここは。
世の中のことなんか、もうどうでもいい。
この演歌の流れる黄色いくてゆるい空間で
も〜、ふにゃふにゃになっちゃいたいなぁ。

気に入りました、赤松温泉。
なんていうか、ここでは湯もふくめて
3つのものに浸かっている感じなのだ。
ひとつはヌルスベな湯。長湯ができるぬる湯に浸かったり
ときたま熱い湯に浸かったりしながら、
で、湯だけではなく、エンドレスにド演歌が流れる時間にも浸かり、
黄色いテントの屋根が醸し出す黄色がかった空間にも浸り、
そしてじわじわと脱力していくのが赤松温泉なのである。

ニクいねぇ。黄色いねぇ。演歌だねぇ。赤松温泉。
おっちゃ〜ん、いい湯だったよ〜!

■赤松温泉
住所:大分県速見郡日出町藤原6371
電話:0977-72-8310
入浴料金:300円
時間:10:00~21:00(不定休)

記事:ショチョー
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2018-08-10 | Posted in 四国/九州No Comments » 

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