パリパリと膜が張るおばあちゃんの極上湯/柳沢鉱泉清水屋

【栃木県 柳沢鉱泉清水屋】
思えば栃木県矢板市の赤滝鉱泉もそうだったし
茨城の鹿の湯松屋もそうだったし、
そしてこの柳沢鉱泉清水屋もそうだった。
ということでひとつ確信。

いい鉱泉宿にはいいおばあちゃんがいる。
まるでセットのように。

柳沢鉱泉清水屋のおばあちゃんも優しいおばあちゃんだった。
特徴あるここの源泉のことを教えてくれたり、
手づくりのわさびの葉の漬物をふるまってくれたり
(これがまたおいしかった!)
お庭を案内してくれたりと。

柳沢鉱泉清水屋は那須の別荘地にぽつんとある鉱泉宿。
宿といっても今は宿泊はやっていなくて日帰り入浴のみ。
おばあちゃんひとりだと宿泊までやるのは大変で、
かといって継いでくれる人もいないのだという。
100年続いてきたこの湯を終わらせてしまうのは辛いけれど、
…と、おばあちゃん。
う〜ん、どなたか手を差し伸べてくれないものだろうか。

さて、そんな柳沢鉱泉清水屋の湯は
これがまた個性的な湯だったりするのだ。
成分がとっても濃厚で、それゆえに湯の表面にカルシウムの膜が
パリパリと張っている。

ほら、どうっすか?この魅惑的な湯の表情。
一番湯や、あるいは前の入浴客との時間の間隔が
じゅうぶんに開いていれば、
このカルシウムの膜をパリパリっと破りながら
湯に浸かれるというラッキーな入浴にあやかれるというわけ。

源泉の温度は6.3℃。これをじっくりと時間をかけてわかす。
おばあちゃんによるならば、
あまりに湯が濃厚なため、普通にようにボイラーで沸かすと
ボイラーが故障してしまうのだそう。
ボイラーのメーカーの営業マンが「これなら大丈夫」と
太鼓判を押したボイラーでもダメだったというのだ。
だから加熱した熱線を湯にくぐらせた特殊なヒーターで
じわじわと加温していくとのこと。

湯はオレンジがかった薄い褐色。
これがまた陽光が当たるとよりオレンジがかって
美しいのだ。
ほら、ほら、見てくださいよ。

浸かってみるとすべすべ感がある浴感。
う〜ん、見た目で期待した通りのいい湯だねぇ。
蛇口から源泉が出るので、ひねればセルフのかけ流しができるけど、
まぁ、加温が大変なので、これは湯が熱い場合のみにしておきたい。

いやぁ、いい湯だった。
汗がいつまでもひかない体の芯まであたたまる湯。
湯上がりにおばあちゃんと記念撮影。パチリ。
ホント、ここ、どなたか手を差し伸べてくれないものかなぁ。

 

■柳沢鉱泉清水屋
住所:栃木県那須郡那須町高久乙1894−20
電話:0287-78-0703
入浴:400円

記事:ショチョー

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2019-04-17 | Posted in 関東/中部No Comments » 

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