那須の緑のニク〜い湯/那須温泉郷・弁天温泉旅館

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【栃木 弁天温泉旅館】

那須七湯といえば、たとえばそのうちのひとつの高雄温泉には

昭和天皇が皇太子時代に訪れた湯として知られている。

また、鹿の湯は栃木最古の湯で、那須温泉の顔というべき人気の湯。

北温泉はテルマエ・ロマエで有名になった秘湯感あふれる渋い湯であり、

三斗小屋温泉は山男や山ガールたちの癒しの湯である。

そんなふうに、それぞれ個性も泉質も違った個性を楽しめるのが

那須七湯で、今回はその中の弁天温泉旅館に行ってきた。

黒磯駅からバスに乗って「休暇村那須」で下車。

ここから歩いて少しのところに弁天温泉旅館はあるのだけど、

道がちょっとわかりにくい。

休暇村那須の建物の道を挟んで向かい側に「弁天吊橋方面」と

書かれた古びた木のアーチがある。

よく見るとそこに「弁天温泉」と書かれてあるので、

そのアーチをくぐって石段を降りていく。

しばらく道なりにいくと古びた国民宿舎のような趣の建物が現れる。

そこが弁天温泉旅館である。

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平日ということで宿泊客がいないのか、ロビーの電気はついているものの、

館内は薄暗く、やっているのかな?と心配になったけど、

「すみませーん」と声をかけたら、ご主人らしき人が出てきて

お風呂に案内してくれた。入浴料は1,000円と若干高めである。

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薄暗い廊下を抜けていくと(ここがまた昭和なパチンコ台やスロットマシーンとかが

置いてあって、薄暗さも手伝ってさびれた感じがなかなかグッとくるのだ)、

突きあたりに男湯と女湯の暖簾がかかった浴室がある。

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脱衣所には丸い籐のカゴが並んでいる。

いいですね、プラスチックではない、こういうカゴは。

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さて、さっそく風呂へ、と、浴室の扉を開けると

ウッヒョー!!!

なんだか廃墟めいた大浴場が現れたではないですか!

これは何色といえばいいのだろうか?レンガ色?そんな色の大空間は、

ところどころが黒ずみ年季が入っていて、窓ガラスもヒビが入っていたりして、

なんともパセティックなのである。

そして広い湯船になみなみとたたえられている緑色っぽい湯!

あの薄暗いトンネルのような廊下の奥に

こんな世界が隠されていたなんて感動ですねぇ。

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湯の温度はちょっと熱め。単純泉とのことだけど鉄臭がする濃厚な湯。

浴感も実にいい。

そんな湯とこの強烈な非日常を感じてやまない廃墟チックな空間を

独り占めできる贅沢よ。やっぱり廃墟めいた空間は広くて天井が高いほどに

パセティック感が際立ってくる。

その点でいえばここ弁天温泉旅館は実にレベルが高いというべきだろう。

うん、これは来てよかったなぁ。

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ゴツゴツした岩の装飾は那須の活火山である茶臼岳を意識したものだろうか。

なんか、よく見るとそのゴツゴツした岩の中にカエルみたいな岩があったのて、

近寄ってみるとカエルである。

かなり風化したカエル。ペアなので夫婦ガエルだろうか。

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内湯を心ゆくまで堪能した後は、露天風呂へ移動を。

露天風呂はふたつある。真ん中にカエルの石像 (またしてもカエル!がある

小ぶりの露天と、東屋風の屋根がある大きめの露天。

どちらも温めの湯だったのてゆっくりとつかった。

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ここ、弁天温泉旅館には露天の他に釜風呂、樽風呂、夫婦かめの湯という

変わり風呂があることでも有名であったが、

なんでも震災で倒壊したとのことで釜風呂と樽風呂はなかった。

復活させるにはお金がかかりすぎるので諦めたとのことだ。

とりあえず夫婦かめの湯に入ってみた。狭い!

でも、なんか不思議に落ち着く。夫婦狸の置物にも癒された。

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聞くところによろと、ここ弁天温泉旅館は、なかなか経営が厳しく、

温泉ファンに支えられながら細々と営業しているそうたけど、

こういうユニークな温泉は頑張ってほしいですね。

日帰り入浴のために食堂を開放して湯上りのビールや軽食が食べれるようにしたら、

けっこう利用するんじゃないかなぁ。

だってねぇ、ホント、他にはない独特で貴重な温泉だものね。

茶臼岳から下山してくる登山客もよろこぶと思うし。う~ん。

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旅館を出たところで入口前に架かる橋のわきに

赤い欄干の残骸のようなものがあったのが目に止まった。

そうか、ここも昔は四万温泉の積善館みたいに赤い欄干の橋が

宿泊客をお出迎えしていたんだろうな。

それも今では残骸でしかない…

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帰り道沿いにとてもいい顔をしたお地蔵さんのような石像が

あったので「どうか弁天温泉旅館が廃業しませんように」と

お願いして帰り道についた。

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弁天温泉旅館
栃木県那須郡那須町湯本157
0287-76-2211
入浴料:1,000
日帰り入浴時間:10:0018:00

記事:ショチョー

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2016-09-03 | Posted in 関東/中部No Comments » 

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